消化器外科医は確実に減っている
今、日本では消化器外科医が減っている。
全体の医師数が増えている中で、厚生労働省のデータを見ると、2002年と比べて2022年の消化器・一般外科医師数は2割以上減少している。
消化器外科学会会員の年齢層のピークは60代だ。
2002年といえば、ちょうど僕が医師になった頃である。
気が付けば、僕の周りの風景は大きく変わっていた。
去ってゆく仲間たち
自分が医師になった頃、同期の外科医や、少し上の先輩たちはたくさんいた。
しかし、気が付けば、そんな仲間たちで今も外科医を続けているのは2割もいない。
医師を続けていない者も、何人かいる。
そして、若手の外科医と会う頻度は、明らかに減った。
どうして外科医は減ってしまったのだろう。
心当たりは、たくさんある。ありすぎるくらいだ。
それでも、それらを補って余りあるやりがいが、この仕事にはあるはずなのに。
何度も、逃げ出したくなった
僕自身も、何度も何度も挫折し、逃げ出したくなったことがある。
手術が下手で、上司に馬鹿にされるのはしょっちゅうだった。
それはまだいい方で、自分の拙い手術で患者さんの経過が悪くなった時、
「こんなんで続けていていいのか」と、自分を責めた。
当直で救急対応が続き、ほとんど眠れないまま次の日の手術に向かう。
さらにその夜には緊急手術が入り、
どうしてここまで働かなければいけないのかと、
やり場のない怒りと疑問に震える日も、数え切れぬほどあった。
僕は外科医でいたかった。
でも、僕は外科医でいたかった。
自分の手で、患者さんを治し、感謝される。
時には感謝されなくても、判断し、準備をし、やり遂げる。
その積み重ねが、少しずつ大きな背中になる。
僕は、外科医でいたかっただけだ。

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